うたかたのあとさき

泡沫のごとく儚き想いを形に

いわゆる逆ギレの回避法について 

 

 

はじめに

 

理不尽な怒りの原因を探る、ほうじょうです。

 

今回は

 

逆ギレという理不尽な怒りを回避する方法を考えてみます。

 

逆ギレ具体例

 

皆さんは逆ギレというものを経験されたことがありますか?

 

例えば、あなたがコンビニ店員をしていたとしましょう。

おじさんが「いつものやつ」とだけ言って、なんか待っています。

 

あなたは「いつものやつ」と言われても何がなんだかわかりません。

なぜなら、そのおじさんのことを見たことがなかったからです。

 

にもかかわらず、おじさんは腹立たし気に「いつもの」と繰り返します。

 

なんとなくたばこを買おうとしていることをあなたは察します。

そして、「どのおタバコですか?」と恐る恐る聞いてみるとしましょう。

 

「だから、いつものだって言ってんだろ!?」

 

あなたは困惑してしまいます。

相手はいわゆる逆ギレを起こしたのです。

 

逆ギレはなぜ起こるのか

 

このような逆ギレはなぜ起こるのでしょうか?

それはおじさんの中でいつものというのがラッキースターという銘柄の

タバコを表しているためです。

 

にもかかわらず、店員はそれを理解しません。

何度自分の意図を伝えても全く店員は自分の発言を理解しようとしないのです。

 

おじさんは怒りが募ってきます。

店員の無知に不当感を感じます。

 

なぜこんな簡単なこともわからないんだ?

そんな疑問がおじさんの中に湧き出してきます。

 

そして、その不当感はやがて明確に態度に出ます。

そして、一切の解決を放棄し、

「いつものだって言ってんだろ!?」

と怒りを露わにしてしまいました。

 

逆切れは防衛機制

 

以上のお話は単なる作り話です。

 

しかし、逆切れというものは相手の立場はともかく

当人にとっては正当な怒りであること。

不当感に対する表明であることがわかります。

 

この「相手の立場はともかく」という点から

逆ギレという現象は生じます。

 

怒りというのは感情です。

感情が湧き上がることをコントロールするのは至難の業です。

 

仮に明らかに自分が悪いとわかっているとしても、

怒りは生じます。

 

自分が悪いと認めることは自己否定の一種だととらえることもできます。

それに耐えることができない状況というのはあります。

 

緊急時の逆ギレ

 

先ほどの例はコンビニでした。

しかし、これが災害時の話になったらどうでしょうか?

 

例えば、地震が生じます。

あなたは急いで食料を買いためるためにコンビニに行きます。

 

道路にはひびが入り、車は運転できそうもありません。

あたりの家には倒壊しているものもあります。

 

そんな状況で不安を感じながらも、

あなたはコンビニに足を進めます。

 

コンビニは無事でした。

商品は一部を残して一切残っていませんでした。

 

あなたと同じような考えを持って、食料品や生活必需品を買い占めた人が

前にいたのです。

 

あなたにどうしようもない憤りが生じます。

そして、おどおどとしながらもレジに立っている店員に詰め寄ります。

 

「どうして商品がないんだ!?」

 

このお話で伝えたいことは理不尽な怒りであったとしても、

対象が誤っているとしても、怒りは生じるということです。

 

食料品を手に入れられなかったストレスに対して

目の前に申し訳なさそうにしている店員さんがいます。

 

それに対して誰もが逆ギレをせずにいられるとは限りません。

 

逆ギレの盲目性

 

さらに、逆ギレには一種の盲目性があります。

自分の立場や相手の立場を考えられないほどの怒りが沸き上がってきたからこそ、

逆ギレをするのです。

 

逆ギレをする人は極度に追い込まれています。

怒りの対象を選択できないほどに追い込まれています。

そうなれば、コントロールできない怒りが表面に生じます。

 

それが逆ギレの生じる要因です。

 

逆ギレは追い込まれ、いわゆる正常な判断を経ずに行われた怒りです。

それが結果的にほかの人にとっても正当に見えるかどうか。

そこに逆ギレの本質はあります。

 

他人にとってその怒りが正当に感じれば、

それは正当な怒りです。

 

しかし、その怒りが不当であると周囲の人が感じれば、

それは逆ギレです。

 

逆ギレを回避するためには?

 

ここまで、逆ギレというのが何かを考えてきました。

一応の結論として、

周囲の人がその人の怒りを正当なものか逆ギレかのどちらかに解釈する。

それを得ました。

 

つまり、逆ギレの本質は当人だけにあるのではなく、

他人の解釈にもあります。

 

理解不能な怒りに対して逆ギレや逆上という解釈がされます。

 

逆に言えば、

他人によって逆ギレか否か解釈されなければ、

怒りの当事者にとっては単なる不当感の表明に過ぎないものになります。

 

逆ギレというのは関係性から生じます。

そして、理解できないという原因から導かれます。

 

仮に私たちがその怒りを逆切れと解釈したとしても、

当事者にとっては単なる怒りであること。

それが逆ギレの本質です。

 

相手の立場を理解する

 

ここまでの話の中で逆ギレは理解できないという原因から

怒りを他人が解釈することによって生じるという結論を得ました。

 

ということは、逆ギレというのは解釈なのです。

そして、解釈は変更することができます。

 

例えば、冒頭のおじさんを例にあげましょう。

 

おじさんは店員さんの顔の区別がつきません。

そして、普段は「いつものやつ」といえば、

「いつものやつ」、ラッキースターというたばこですね、

それが出てきました。

 

にもかかわらず、その日は違いました。

 

なんだか店員の挙動がおかしいのです。

何度「いつものやつ」(ラッキースター)と言っているのに、

店員は動こうとしないのです。

 

あまつさえその店員は「どのおタバコでしょうか?」とまで聞きます。

 

「いつものやつ」(ラッキースター)は「いつものやつ」(ラッキースター)だろう!?

なぜわからないんだ!?

 

おじさんの怒りは最高潮に達します。

 

冒頭のお話は作り話ですが、おじさんには2種類の点で盲目な部分を設定しました。

 

おじさんの盲目性

 

一つ目は店員の顔の区別がつかないということ。

二つ目は「いつものやつ」が常にラッキースターを意味するわけではないことを

理解できていないということです。

 

このような2種類の盲目性があることからおじさんは怒りを感じました。

 

仮に店員さんがものすごく察しのいい人だとします。

誰か別の店員さんと自分を勘違いしているなと判断します。

 

そして、おじさんを待たせて、店長を呼びに行きます。

 

店長に相談すると、その人はラッキースターのことをいつものとしか言わない。

そんな情報を得ました。

 

店員さんが奥に引っ込み、いらいらしていたおじさんに対して

あなたはラッキースターを取り出し、レジカウンターに置きます。

 

おじさんはむすっとした顔でお金を放り出すと

たばこをつかんでコンビニを去りました。

 

相手が何に対して盲目なのかを理解する

 

このように相手が何に対して盲目なのかを理解することで

適切な対応をすることもできます。

 

逆ギレする人には必ず何らかの盲目性があります。

その盲目性を見抜くのです。

 

ただ相手に配慮するためだけにそれをするのは割に合わないと思うでしょうが、

逆ギレという現象を起こさないためには必要なことです。

 

まとめ

 

今回は逆切れの回避方法について作り話を交えて考えてみました。

逆切れには必ず盲目性が伴っています。

そして、その盲目性を理解することで何とか逆ギレを理解できます。

そして、逆ギレしそうな人は何らかの意味で追い詰められています。

 

最も重要なのは

相手が逆ギレのことを逆ギレと認識していないことを理解することにあります。

 

何とかこちら側で逆ギレに隠れた相手の盲目性を推理し、

逆ギレを防ぎましょう。

もしくは相手の立場を理解しましょう。

 

そうすれば、逆ギレを回避し、なんとか穏便に済ませることができます。

 

ここまで読んでくださった方に格別の感謝を。

ご読了ありがとうございました。