うたかたのあとさき

泡沫のごとく儚き想いを形に

書店の本を大人買いしたい無職の葛藤

 

ほうじょうです。

日記書きます。

 

 

 

魅力的な本を買わないという苦渋の決断

 

先日、大きな書店に行く機会があったんです。

どうしても日本仏教を概観できる本が欲しかったんですよね。

ないとどうしても相対主義大乗仏教のつながりを明文化できない。

ブログ記事を書けない。

 

というわけで駅に隣接する百貨店の本屋に赴きました。

大きなビルの8階にあります三省堂書店

2018年オープンしたばかりで店内の雰囲気も新しいものでした。

 

そこでとりあえず選書のコーナーに行ったんですよ。

私などはとりあえず文庫本のコーナーにしか行かないもので。

というのもお金がありませんので。

無職なので……。

無職なので……!

 

やっぱり無職はつらい……!

本が買えない……!

お金がほしい……!

 

すさまじい悔恨の念に襲われますが、とりあえず足は選書のコーナーに向かいます。

仏教の、しかも歴史の本など需要が恐ろしく低いものなので店内の片隅にあります。

そこには当然ほかに本を選んでいる人もおりません。

一人です。

 

だからいいんですよね。

いつの間にやら目の前の本から仏教本を探すのに夢中になっていました。

 

本がほしい…… でもお金がない!

 

そうしたら、日本仏教の本じゃないにしても興味深い本が立ち並んでいます。

 

あれもほしい……。

これもほしい……!

 

自分の物欲の高さにはあきれるばかりです。

いえ、知識欲でしょうか?

いえいえ、物欲です。

 

本を購入し知識を得るということはどちらにせよ執着の産物。

それに意図するところはブログ記事の作成です。

 

そこではたと気づきました。

自分が無職だということに。

 

無職だと本が買えない。

無職じゃ勉強できない。

 

これじゃだめだ。

就職しなければ。

思いを強めました。

 

まあ、結局1冊本を買ったんですが。

お目当ての日本仏教の歴史についての本、ではなく、近代日本仏教を思想としてみる本ですね。

タイトルは『思想としての近代仏教』。

 

そういえば、どうして日本仏教の歴史の本がほしいかを言っておりませんでした。

 

現在、私、鈴木大拙著の『日本的霊性』という本を読んでいるのですが、

正直よくわからないのです。

 

霊性が風土や文化に基づいたものなのはわかりました。

実際に肉体労働をしたりして、土に触れることも重要だとわかりました。

でも、霊ってなんだ?

 

私としては霊というものが幽霊とかしか知らないもので、全くわからないんです。

浮遊する霊魂。

魂についてはある程度分かるんですが、よくよく考えてみると霊というものがよくわからないんです。

魂については哲学科であれこれやりましたので、まあ一家言ぐらいはあるのですが、

霊については全くわからない。

 

少なくとも幽霊のことを言っているわけではないことはわかるのですが、

じゃあ何を言っているのでしょうか?

 

というわけで前提知識を得るために日本の仏教史を知りたかったのです。

 

ですが、偶然手に取りました近代日本仏教の思想を扱う本がありました。

 

その本では鈴木大拙が批判されていたんです。

じゃあ、これが欲しいんじゃないか?

もともとの動機は霊というのが何かを知るためであり、

そして日本で宗教がどのようにとらえられているのか知るためでした。

 

ちなみにほかに最終候補に残ったのは日本仏教史入門。

著者が同じでした。

出版社は別なのに著者は同じでした。

さすがに破顔せざるを得なかったですね。

 

幸い周囲に人はおらずマスクをつけておりましたので大事には至りませんでした。

 

日本仏教史入門で鈴木大拙さんが取り上げられてないのはおかしいなと思ったのですが、別の本で取り上げられてました。

しかも、専用のコーナーまで設けてあって。

 

ということはこれなのではないかと。

私はほかの本が無言で書けてくる圧力に抗いながら、足早にコーナーを去りました。

 

カウンター横の魅惑

 

購入のためにカウンターに行きます。

カウンターの隣にサイエンス誌がおいてあります。

いつもは気にならないのですが、その時は別でした。

 

私が学生時代特に扱っていた「ヒトと人間」の差の論文が載せられている本でした。

手に取って、中身を確認すると自分の思う通り細かく研究が載っています。

これは買いだなとひょいと裏返して値段を確認しますと1440円。

 

財布の中を確認します。

くたびれた1000円札が3枚。

 

近代仏教本を見ます。

2500円。

 

私はゆっくりとサイエンス誌をもとの場所に戻しました。

 

さあ、レジカウンターを通しました!

自分の想定する以上の本が手に入りました。

 

満足!

満足?

満足!!!

 

まとめ

 

無職。

それは知識を得るための時間を持ちながらも知識を得るための手段を手に入れられない職。

 

やっぱり無職はだめだなーと思いました。

早く就職したいです。

心折れかけてますが、初任給を本につぎ込み、研究のために必要な本を買いそろえることを夢見て今日も履歴書を送り、面接で玉砕してまいります。

 

面接はやっぱりつらい……。