うたかたのあとさき

泡沫のごとく儚き想いを形に

古典の初学者のための覚書 紙とネットどっちがいいの?

 

はじめに

 

電子データの抽象度がすごく高いと感じる、ほうじょうです。

 

今回は

 

青空文庫などの電子情報と紙の本のメリットを

古典読解の初心者という面から比較します。

なぜ古典を読むときに紙の本が勧められるかをメディアの方面から分析します。

 

各種メディアによって得意なことは違う

 

さて、なぜ紙の本がおすすめされるのでしょうか?

それはメディアという情報を載せる物質の性質が情報の受け取り方を変えるからです。

 

さて、まずはメディアとは何かという話から始めます。

 

メディアというのは各種情報を載せるための物質です。

持ち運びやすさとか丈夫さとか弾圧に対する強さとか再生のしやすさとか

いろいろな性質がメディアにはあります。

ビデオやDVDやブルーレイ、カセットテープに紙や果ては石まで。

 

ありとあらゆる物質がメディアとなりえます。

 

特に今回比較いたします、紙の本と電子の本。

同じ情報であっても見た感じは全く異なります。

レイアウトが異なるからです。

 

例えば、青空文庫ですと電子情報をあえて印刷して紙にしなければ、

しおりをつけることすらも難しいものです。

延々とスクロールが続くため

いつまで文章が続くか分かりづらいということもあります。

 

引用はコピー・アンド・ペーストで簡単にミスなくできますが、

引用したい箇所に付箋を貼ることが難しいです。

 

紙の書籍が得意なのは、引用や参考する箇所に印をつけやすいという点です。

鉛筆でも3色ボールペンでも付箋でもしおりでもなんでも印に使うことができます。

紙はその取り回しの良さが魅力です。

 

 

 

 

電子書籍はデータ同士の関係を強調することに一手間を加える必要があります。

 

大量にあるために電子メディアは安い

 

電子メディアは非常に安くなる傾向にあります。

紙の本も活版印刷によって安くなりましたが、

それよりももっと電子メディアは安いものです。

 

紙の本も複製が簡単ですが、電子情報ほど複製が楽な情報はありません。

複製が楽ということは非常に安く大量に流通させることができます。

 

情報のアクセス性は何よりも重要です。

そもそも知らなければ、そんな情報は存在しないものと同義だからです。

 

電子メディアの複製の容易さは世界全体に大きな影響を今なお与え続けています。

 

玉毒混交

 

しかし、電子メディアの特徴として、玉毒混交が挙げられます。

あまりにも情報供給がたやすいため、検証がされないまま

流言飛語が飛び交います。

 

もしも基準を持たない人がネットの海に飛び込めば、

たちまち意図しない情報を刷り込まれてしまうでしょう。

 

基準なしにネットを調べれば、

根拠の薄い情報、すなわち毒を知らぬ間に飲むことになります。

 

皆さんにもインターネットで情報を調べる機会があるでしょう

 

インターネットでは良い情報も悪い情報も一緒くたになっています。

そこから私達は情報の真偽を判断する必要があります。

あまりにも大量の情報が検証不十分なままに流されていること。

 

それに対して検証を自ら加える必要があるために電子情報は無料なのです。

 

青空文庫も電子メディア

 

青空文庫を利用するときも利用者側のリテラシーが非常に高く求められます。

青空文庫は知らない本がほとんどであり、どの本を優先して読むかは

読者の判断によります。

 

これは青空文庫だけではなく、普段のネットニュースにも当てはめられます。

ネットニュースの真偽を把握するためには自分の中に基準を作る必要があります。

 

その基準なしに電子情報を探そうとすれば、

途方もない情報量に混乱してしまいます。

 

それに対して紙の本は仮にも編集や校閲を潜り抜けてきた本たちです。

しかも、古典ともなれば、時間という挑戦を経てもなお色あせていないという点で外れの本はそんざいしないことになります。

 

というわけで情報の質の高さでいえば、紙の本のほうが高くなる傾向にあります。

 

電子情報は速度でも量では上回っていますが、質までは担保してくれません。

 

見る側にリテラシーを求められるのです。

 

 

紙の本と電子の本の比較

 

ここまで電子情報の性質を述べてきました。

 

ここで一度電子情報と紙のメリット・デメリットを述べたいと思います。

 

電子情報のメリット

 

メリット

 

  • 持ち運ぶ必要がない
  • スマートフォン1台あればほぼすべての情報が手に入る
  • 発信がしやすい

 

デメリット

 

  • 書き込みが割と難しい
  • 読んだ実感がわきづらい
  • 途中にしおりを挟みこむことが難しい
  • 情報の検索が難しい
  • 情報の絞り込みが難しい

 

電子情報の特徴は何よりもその量の多さです。

量が多いというのはメリットでもあり、デメリットでもあります。

 

紙というメディアの特徴

 

それでは紙というメディアがどうして初学者向けなのかを考えてみます。

 

メリット

  • 思ったことを書き込みやすい
  • 線を引くことがやりやすい
  • 読んだ実感がわきやすい
  • 付箋を貼りやすい
  • すでに選別がされている

 

デメリット

 

  • 持ち運びをする必要がある
  • 割と壊れる
  • 基本的に有料

 

例えば、「暗唱しよう」とか「引用しよう」とか「忘れないように付箋を貼ろう」とかそういうことは電子版では難しいです。

電子版と比較して、付箋には一覧性があるため、引用箇所も探しやすいです。

というわけでみなさんには紙の本か書き込みができる電子書籍を利用してもらったほうがいいと思います。

 

まとめ

 

今回は電子情報と紙の比較をしてみました。

どちらも一長一短です。

 

しかし、初学者には紙の本がおすすめです。

理由は基準がないと情報の選別ができないからです。

 

情報の選別ができなければただ単に情報を乱雑にばらまくのとかわりません。

 

その点で紙のメディアは電子情報を上回ります。

校正を受けて、印刷しなおすという試練をくぐり抜けてきた本しかありません。

 

だから私は紙の本を買うことをおすすめします。

自分の中に基準を作ってしまいさえすれば、

電子情報の選別を自身で行えるようになります。

 

しかし、選別の基準がなければ、インターネットに翻弄されてしまいます。

 

あまりにも情報が多いよりは1冊の入門書を読み込むほうが手っ取り早いのです。

 

だから、私は古典の初学者には紙の本をおすすめします。

単純に効率がいいからです。

 

とりあえず新書の入門書から古典読解の練習を始めましょう。

入門書は各分野必ず1冊以上は入門書があります。

そこから参考文献に飛んでいきましょう。

 

そうして情報を基準を作りましょう。

 

読了ありがとうございました。