うたかたのあとさき

泡沫のごとく儚き想いを形に

政治初心者が学ぶ政治

 

 

 

 

はじめに

 

政治問題に心動かされないために学ぶ、ほうじょうです。

 

今回の記事は

 

政治問題に心動かされないようにするために

池上彰の「ニュースそこからですか!?」』

を読んだ感想をまとめておきます。

 

この本を読むまで政治の事情が私全くと行っていいほどわからなかったんです。

そのため色々なニュースを見ては不安をつのらせていくばかりでした。

 

ですが、今回この本に触れたことによって政治の裏事情を知っておくことがどれだけ重要なのかを理解できました。

 

この本を読むことでニュースの類を知るための前提知識がどのようなもので、どこから遡る必要があるのかがわかります。

 

 

複雑なニュースは単純な事件の積み重ねでわかる

 

政治問題は複雑すぎてよくわからないことが往々にしてあります。

 

しかし、『池上彰の「ニュース、そこからですか!?」』を読んで、ニュースがわからない理由がわかりました。

 

それは私が裏事情を知らない、コンテクストや背景を知らないからです。

個々のニュースは単純なものでもそのニュースがどれだけの価値を持つかを知ることは非常に難しいものです。

 

なぜなら、何の知識もない私がニュースの価値を知るためには、そのニュースがどれだけの頻度で報道されているか以外の指針がないためです。

 

要するに、政治の知識がなければ、単純に報道された回数でニュースの重要性を判断しがちになるということです。

 

そんな受動的な姿勢ではニュースで不安を感じるのも仕方がないことです。

だからこそ、私は政治を学ぶ必要があります。

 

政治的な意見を持つ持たないにかかわらず、政治について知っておくことは世の中の複雑さを理解する上で重要な手がかりになります。

 

ニュースを見るときに、ニュースがどのような位置づけを持つのかを知るためには、政治の全体的なマップを知っておく必要があります。

 

そこで『池上彰の「ニュースそこからですか!?」』が登場します。

私はこの本を読んで、ニュースの前提知識を持たずに惰性でニュースを見ることの無意味さを痛感しました。

 

単純に見えたニュースは実は非常に複雑なものだったのです。

どれだけの人々の思惑が30秒程度で流されてしまうニュースの中に関わっているのかがわかりました。

 

 

そして複雑さ故に、個々のニュースがどのような意味を持って、どのような情報を伝えているのかがわからなくなるのです。

 

しかし、非常に複雑な事情があっても、それぞれの事実はやはり単純です。

 

「自分の国を守りたい」とか「今の生活を維持したい」とかそういう動機です。

 

しかし、それらの思いが複雑に絡み合ってくると、社会問題や国際問題になります。

 

そのような単純な思いやシステムを系列立てて、この本は説明してくれます。

 

2012年と少し古い本ですが、すでにドナルド・トランプの名が出てくるなど先見性が高い名著だと思います。

 

複雑なニュースを単純に分ける

 

この本が行っているのは「そこからですか!?」と驚くほどに問題を単純にすることです。

そして、そのような個々の単純な問題が関係を持って、どれだけ複雑になっているかを明らかにしてくれます。

 

例えば、EUギリシャ危機がなぜ問題なのかをEUの成り立ちから説明してくれます。

 

EUは様々な名を経ています。

最初は1952年、欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)です。

これはもともとはドイツの鉄鋼生産を国際管理する機関でした。

 

そして、6年たつと欧州経済共同体(EEC)が誕生しました。

この共同体に入っていると関税がかけられないため、貿易が活発になります。

 

そして、この組織は欧州共同体(EC)と名前を変え、1993年には欧州連合EU)という現在の名前に変わりました。

 

そして、通貨発行権EUに入っている各国はEUに譲り渡します。

 

ということは、自国で経済危機が生じるとほかのEU諸国に経済危機が飛び火することになります。

同じ通貨を使っていますからね。

 

というわけで、ギリシャが経済危機に陥れば、EU諸国がその経済危機のあおりを受ける構造になっています。

それゆえに、ギリシャの経済危機は非常に大きな問題となったのです。

 

このような来歴をたどったのは、もともとは「もう二度と戦争は起こさない」という各国の気持ちがあったからです。

戦争を起こさないためにどういった構造を作ればいいか、懸命に考えた結果、EUという理想的な構造ができました。

しかし、その理想的な構造も経済問題に対しては無力でした。

 

しかも、ギリシャの経済危機は日本にも無関係ではありません。

ギリシャ国債を日本が買っている可能性があるからです。

 

このようにこの本では政治問題がなぜ問題になっているのかを根本的な部分から解説してくれます。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

 

わけのわからないニュースでも単純な問題の積み重ねから生じています。

単純な問題、わかりやすいところから理解していくことで全体を把握することができるようになります。 

 

このように個々の事例を知ることで、複雑なものは単純な物事が折り重なって成り立っていることが知ることができるようになります。

 

この本の意図は「ニュースを基礎の基礎から解説しよう」というところにあります。

 

そのような基礎の基礎から解説しようという姿勢に私は初心を思い出しました。

私はぼんやりとして言葉にし難い感情やマナーを言葉にしたくて、ブログをはじめました。

 

そのような自分の原点を確認できて、これからのブログも書きやすくなってきたと思います。

 

そろそろ、哲学書の書評に挑戦してみたいと思います。

 

読了ありがとうございました。